
糖鎖とはグルコースとガラクトースなどが、複雑に結合し連なり鎖状になっている物質のことです。
糖タンパク質や糖脂質になる原因はタンパク質や脂質と結合するためで、これらの総称を複合糖質と呼ばれることもあります。
そのような場合は糖タンパク質と、糖脂質のみではなくプロ艇御グリカンも含まれます。
これらのタンパク質と脂質に結合した場合安定化し、水分を含んで組織や細胞を保護するなどの機能を持つことになります。
また細胞相互に情報を伝達するために細胞表面の糖鎖は重要な役割を果たしています。
この状態が利用されることがあるときは白血球とがん細胞が、細胞に接着するときと細菌やウイルスが細胞に接着するときなどです。
そのためレクチンという物質を、細菌は宿主の細胞表面の糖鎖と結合するために持っています。
まだまだ未知の機能がいくつもあると考えられているわけは、研究の歴史が浅いためといえます。
今や大きな研究分野となっている理由は、この鎖状の物質の存在により解明された現象も多いためです。
ただ純粋な化学合成に頼らざるを得ません。
遺伝子とタンパク質などを遺伝子工学の技術を利用しての合成可能と比較した場合、鎖状の物質は純粋な化学合成に頼らざるを得ません。
実験サンプルとしての確保が難しいという問題があります。
この理由も鎖状の物質は、研究が他の分野に比べて難しい原因となります。
しかし鎖状の物質がシグナルを制御し、幹細胞の分化や維持に作用していることはわかってきたため、現在はその経路の詳細を明らかにする研究が頻繁に行われています。